大分県別府市で開催の第5回別府八湯日韓次世代映画祭にて、2月23日(土)14:10〜「折れた矢」上映後に行われたトークセッションです(複数回に分けてアップします)。
©アン・ソンギさん公式情報板
(写真左より)司会:下川正晴教授(大分県立芸術文化短大)、アン・ソンギさん、ペジャンス韓国映画評論家協会会長。
司会:この映画のシナリオをご覧になってから、どのようにこの映画(「折れた矢」)が始まったかをお聞かせください。
アン・ソンギさん:今日は皆さんにお会いできてとても嬉しく思っています。私の主演映画『折れた矢』をご覧いただいて、ありがとうございました(会場より大きな拍手)。
この映画はチョン・ジヨン/정지영監督が撮られ、一般的な映画製作会社ではちょっと取り扱いにくい素材(テーマ)を扱っています。ですから、製作費も3500万円程度でした。スタート時は[この額よりも]もっと少ない額でした。それから、キャスティングについても無名な俳優が多く出演する予定でした。
チョン・ジヨン監督と私は20年来の付き合いで… 非常に大きな、韓国の悲劇的な話を題材にした映画(「南部軍/남부군」(1990年))、そしてもう1つは「ホワイト・バッジ/하얀 전쟁」(1992年)を一緒に作りました。
そういう付き合いもありましたし、[監督の]周辺から「アン・ソンギさんならこの役を受けるかもしれない」と聞かれたようで、『とりあえずシナリオを1回読んで、連絡をしてくれないか?』と、そんな風にごく簡単に、シナリオを送ってきました。
私は私で、読んだ翌朝すぐに連絡して「ぜひ一緒にやりましょう」と(笑) [私があまりにもそんな風に返事をしたので、逆に]監督はとてもとまどって、本当にいいのか? という感じでした。
そんな風にスタートしたのですが、先輩俳優や名の売れた俳優さんたちも多く参加してくださいました。最低限の映画の制作費から始めたわけですから、皆、覚悟をして「これがもし、もしかしてヒットしたら、その時にまた話し合いをして[利益を]皆で分けましょう」と言って契約をしたんですね。最初にそうやって契約をしていなかったら今頃、怒っていたことでしょうね。 なぜなら、この映画が以前主演した作品の2倍くらいのギャラになりましたから(笑)
でも、私がこの映画の出演で一番嬉しかったことは、チョン・ジヨン監督と一緒に仕事ができたことですね。この20年の間、一部一緒に仕事をした以外は、お互いずっと準備をし続けて来て、なかなか実際一緒に撮ることができないまま、20年が過ぎてしまったんですね。
日本では年を[ある程度]重ねても、映画監督は多く活躍していますが、韓国では現在、現役で活躍なさっている実力派監督はイム・グォンテク監督以降は世代が飛んで、こちらにいらしているイ・ミョンセ監督、そんな風に突然年齢が50代まで下りてきてしまうんですね、60代の監督がいらっしゃらないから。イム・グォンテク監督は70代半ばで… ですから、今回この作品でチョン・ジヨン監督が返り咲かれたのを見て、私もとても嬉しく思っています。
チョン・ジヨン監督の作品がこのように世に出て、また、私も観客の皆さんから温かい支援を受けましたのでとてもよかったと思っています(会場より大きな拍手)。
(続く)
2013年2月25日月曜日
2013年2月24日日曜日
登録:
投稿 (Atom)