2012年9月1日土曜日

アン・ソンギさんインタビュー

先日の福岡アジア映画祭にて行ったインタビューです。

「折れた矢/부러진 화살」のキム・ギョンホ教授役に関して、「役作りに努力した」とティーチインでおっしゃっていましたが、もう少し具体的に教えていただけますか?
教授が実際の人物であり、自分とは違った点が多かったです。異なる人物になってしまわないように、観客がアン・ソンギという俳優に対して持つイメージを出さないようにし、冷たい人として演技しようと努めました。

この映画が[制作側の予想より遥かに]ヒットした理由は何と考えていらっしゃいますか?
[映画制作・公開以前から]事件自体がすでに関心を集めていたこともありました。大切なのはストーリーですが、またそれを表現する方法も面白いと感じました。シナリオを読んだときから完成度が高いと感じ、出演をすぐに決めました。現場ではスタッフと俳優間のコミュニケーションも非常にうまく取れていましたね。


「権力が持つ力」に対して日頃から不満や鬱憤を持っている観客にこの作品が制作側が予想していた以上に痛快に写り、口コミで広まったのではとも思います。アメリカと違い、韓国で法律に関する映画は法廷での被告・原告のやり取りであまり動きがないシーンのため、つまらないと観客から言われることも多いですが、この作品では裁判長にくってかかるようなシーンがあったことも理由の1つではないでしょうか。

教授とご自身の共通点があるとすれば何でしょうか?
そうですね…[しばし考えて]あえて言うとすれば、ドラマや舞台、政治など映画以外のことはしたくないというちょっと頑固なところでしょうか(笑)。


そうですか(笑)。ところで、この秋
アシアナ国際短編映画祭で公開予定の「JURY(仮題)」について教えてください。
キム・ドンホ釜山国際映画祭名誉執行委員長が演出をなさるのですが、アシアナ国際短編映画祭10周年を記念して何か素敵なイベントができれば、ということで始まりました。短編かドキュメンタリーがいいでしょう、と。世界的に有名なチャンリュル監督(「豆満江」)が3年前にシナリオを書かれていましたが、映画祭の記念作品としては少し物足りない部分もあったのでユン・ソンホ監督がそれをベースに非常に笑える作品として書き直しました。音楽はバン・ジュンソク音楽監督(「ラジオ・スター」)が担当しています。スタッフも有名な方々が名を連ねている他、評論家役では日本のイメージフォーラムの富山さんにも出演いただいています。

今年、その他に出演の作品はありますか?
「TOWER」というパニック(災難)映画なのですが、クリスマスに高層ビルで火災が発生します。ソル・ギョングさんが消防隊長で、私が消防署長です。

最後に、本当に長い間、俳優生活を続けていらっしゃるわけですが、その秘訣は何でしょうか? 
[即答で]それは映画が面白いからですよ。自分は恵まれていて、やりたくてもできない人は本当にたくさんいます。自分のポジションを保ちつつ、続けてこられたのは幸運でした。それに日々感謝しています。

[通訳:임구순、写真:小栁宏美]

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