2012年7月14日土曜日

福岡アジア映画祭「折れた矢」ティーチイン1

昨夜、福岡アジア映画祭で上映された「折れた矢」後のティーチイン1の一部です。

Q:映画人のどなたかで、特に影響を受けた方がいらっしゃいますか?
A:ご存知のように韓国映画の歴史は他には見ない道をたどっています。50〜60年代にはよい監督や俳優がたくさんいましたが、70年代に入って軍事政権になり、そういった方々が自由に作品を作ることが難しくなり、結果として消えていってしまいました。私がデビューをしたのは70年代後半でしたから、残念ながらそういった先輩方とご一緒に仕事をする機会もなかったので…

同じ時期のアメリカン・ニューシネマの作品もよく見ました。俳優ではロバート・デニーロが好きですね。

Q:「折れた矢」の役作りはどのようになさいましたか?
A: キム・ギョンホ教授には撮影が終わってから一度お目にかかりました。冗談など1つも言わない方で、だからこそ、自分が信じたことを最後までやり遂げることができるのでは、という印象を受けました。

最初、監督からシナリオをもらったのが夕方だったのですが、その夜に読み、翌朝には「監督、一緒にやりましょう」と電話をしていました。それくらい魅力のある作品だと思ったのです。

ただテーマ的に[撮影当時]現在進行中(キム・ギョンホ教授は今年2月に出所)だったので製作陣も敏感になり、一緒に作ってくれそうな俳優はいないのではないか?と心配していたようです。ですから、無名の俳優を起用しようかという案もありました。私がシナリオを読んだ時、その完成度の高さに「とにかくシナリオ通り撮りましょう」と話をしたのです。

Q:最後テロップでも流れていたのですがよく分からなくて、結局どのようになったのでしょうか…?
A:居眠りをしていらっしゃったのではないですか?(笑) 刑務所に戻るシーンで終わりましたが、「刑務所=暗い」イメージではない、ということを暗示しています。出所後、本当のキム・ギョンホ教授は人権問題に取り組んでいらっしゃるようです。






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