2010年7月25日日曜日

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭4:シン・ヨンシク監督Q&A

本日、埼玉・川口市にて開催のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭にて「페어 러브/けがれなき愛」が上映されました。
上映後のシン・ヨンシク監督Q&Aの様子です。通訳は根本理恵さんでした。

注意:一部、ネタバレを含みます。


Q:エンドロール直前の文字は?

[管理人加筆:2009 Luz y Sonidos。スペイン語で「光と音」。シン・ヨンシク監督が外国語大スペイン科専攻だったからではないでしょうか]

A:映の制作社の名前です。


Q:アナログ的な世界をデジタルで撮られたこの作品ですが、何か撮られる時にお考えがあったのかお聞かせください。

A:正直言いますと、フィルムで撮りたかったのですが予算の問題でデジタルになりました。制作工程は違うことはなかったように思います。アナログの部分をたくさん入れたというのは主人公が若いときからほとんど外にでないような感じで、仕事場に閉じこもっている、音も30年前の音をずっとくりかえしいているという前提になっておりましたので、全的にはアナログっぽいつくりになっています。また主人公が写真を撮っているということもありましたので、フィルムでできればとずっと考えていたのですが、今回デジタルで撮っても問題はなかったと思います。


Q:ラストシーンがでないような不思議なシーンで終わっていましたが。アンソンギさんが入院してしまってどうなるか分からない、この先が分からない、現かどうか分からないような終わり方にされたのはなぜでしょうか?

A:はこの作品はアンソンギ先輩と「撮りましょう」と3〜4年前から計していたんですね。ところがなかなか制作資金が集まりませんでした。制作社を4社まわりましたが、どこからも「エンディングをえろ」と力をかけられ、(自分の)思い通りのエンディングにできないのではないかと思っておりました。最終的には自分で制作係も引き受けることになり、思い通りのエンディングを撮ることができましたが。


このシーンは最初から思い描いていたんですね。この作品にわらず私がつくる映のエンディングは一貫しています、それは「人生の不理を認識した瞬間を表す」ということです。そういった意味でもこのエンディングはこの作品の全てを語っているといっても過言ではありません。(質問者が)おっしゃる通り、最後の部分は夢なのか現なのか分からない、あえてそういう設定にしているんですね。


大解してみますと[イ・ハナさん演じる]남은/ナムンという女性も存在していなかったのでは、そういった1つの考え方も提示しています。ごになる皆さまに不親切にしようというのではなく、最初からこのエンディングは決まっていました。[アン・ソンギさん演じる]형만/ヒョンマンは自分の世界から抜け出して成長していくことができるのかどうか考えているのですが、そういった瞬間を表現してみたいと思いました。


Q:アン・ソンギさんはベテランでフィルムの作品にずっと出演されてきた方ですが、今回デジタル撮影ということでアン・ソンギさんから何か感想とか、ありましたでしょうか?

A:彼の俳優生活50周年の節目の都市にこの映を撮っていたんですね。これまで多くの映に出演されていますが、デジタル映はこれが初めてということでした。撮影しながら、今回24回に分けてとったのですが、普通の映ではどこか1回くらいは出番がないのですが、回の撮影に1回も欠かさず出たのも俳優生活50年間の中で初めてだ、ということをおっしゃっていました。


Q:相手役のイハナさんが決まったエピソードなどをえいただければと思います。有名な俳優さんであるアンソンギさんの人役を20代の女性が演じるということであれば大抵の女優さんならひくのではと思ったのですが。

A:アンソンギ先輩とも「相手役の女優は誰にしようか」と本にいろいろな話をしていたのですが、簡な選ではありませんでした。ヒョンマンからするとかなり年下の女性ということになるのですが、かと言って子供でもなく、また成熟した女性という印象でもないですし、そういった部分を兼ね備えている女優、しかも演技が上手い女優でなければならない、ということが前提としてありました。


ハナさんはこれまで映には1本くらいしか出演したことがなく、TVドラマの出演が多いんですね。例えば「愛時代」といったようにドラマの出演の方が多いのですが、今回はお願いすることになりました。またイ・ハナさんは以前大で音攻していたので、ハナさんが直接映で使う歌を歌う機もありました。


以前、シネマテークという場所でアンソンギ先輩イ・ハナさん私の3人で会うことがあったんですね。そういったご縁もありましたし、アン・ソンギさんというのは映画界において象徴的な存在でして、どんな俳優でも尊敬する俳優です。ところがイ・ハナさんは映画の経験が少ないというもあってか、普通だったらアン・ソンギさんの前でかしこまってしまうのですが全くそんなこともなく、くったくもないそぶりを見せていました。例えば撮影中もアン・ソンギ先輩の肩を気軽にちょっと叩いてみたり、ほっぺたを指でつついてみたりとか、多分後輩の俳優・女優ならしないような行動も本当に気楽にやっていたので逆にそういったところがよかったのかなと思います。


Q:年の差のカップル、しかも男性の方がかなり年齢が上… そのアイディアを思いついて、製作にいたるまでの過程を教えてください。

A:私はずっと助監督だったのですが、20のころから映の現場に入りまして大も卒業しないで映の現場に入っていたもので同い年の友人達とつきあうということがなかったんですね。[페어 러브は]友人の娘とつきあうという、それだけ聞くと過激に聞こえますが、私が描きたかったのは、私が現場で仕事をした20歳から27歳くらいまで、何をやってもうまく行かなくって、何かをやってみようとするとそれも上手くいかない。そういうことが続いていた27、8のころ、妻と知り合いました。私自身が恋愛をする前に成長できていなかった気がするんです。


普通は成長してから恋愛するものですが、私の場合は順番が逆だった気がします。ヒョンマンというのは自分の時間に閉じこもったまるで剥製のような人物なんですね。そういう人物が思いもしない、想像もしていなかった相手と恋愛をするというその点をつきつめてみたいと思い、この映画と結びつけました。


邦題は「けがれなき愛」ですが、オリジナルのタイトルは「Fair Love」です。これはスティービー・ワンダーの「All In Love Is Fair」というところから拝借してきたのですが、恋愛においてはプラスもマイナスもない気がします。愛というカテゴリの中では全てがFair(公平)という想いを込めて、タイトルを付けました。もしかしたら皆さんからタイトルの質問が出るかなと思って、先に一言付け加えました。


Q:アナログの世界をデジタルで撮ったということでしたが、とても優しい思いのする映画を見せていただいたような気がします。ありがとうございました。アン・ソンギさんとってもファンで、本日とても楽しみにしておりました。監督の次回作ですが、どんなイメージをお持ちですか? もしよろしければ…

A:は3作品、次の作品を予定しているのですがその中の1つをご紹介しますと、その中の1つの作品にアン・ソンギ先輩に出演していただきたいと思っています。しかも日本で撮る予定があります。時代は1930年代でフィルム・ノワールのジャンルになると思います。


アンソンギ先輩はこれまで役が少なかったと思うのですが、今回は役です。ただありふれた役ではなく、韓人のある組織のボス、日本で育って、イギリスで勉してやがて校になってってくるという設定になっています。そこに日本人の組織のボスが出てくるのですが、おそらく日本でもよく知られた俳優を起用することになるのではと思っています。日本の組織のボスがアン・ソンギ先輩を韓国に行かせろということになるのですが、おそらく日本で撮影することになると思います。


[司会:楽しみですね。アン・ソンギさんちなみに日本語のレッスンをうけられたりするのですか]

アン・ソンギ先輩には日本語のセリフはありません。日本人の俳優に英語・日本語のセリフがあります。


[司:アンソンギさんの日本語も聞いてみたいもしますね]

アンソンギ先輩が大ではないかと、配慮をしてそのようにしました。アクションとか言葉といった大変な部分は若い俳優に任せて、アンソンギ先輩に素敵な部分を演じてもらいたいと思います。


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